西陣爪掻本綴帯

“爪で織る芸術品”
西陣織の最高峰と名高い西陣爪掻本綴織は、爪で織る芸術品と呼ばれ日本美術織物を代表する織物であり、“日に寸、五日に寸、十日に寸”と古来より伝えられるほどに高度な技と月日を要します。 それは爪で糸を掻き寄せ織り上げる伝統の匠の技と感性によって生み出される織の美。伝統を継承した匠が丹精込めて織り上げた贅を尽くし創作された逸品。糸を撚り合わせる、技と美の感性を頼り織る、匠の手と感性が集約され創り出された作品は世界でただひとつの帯としてご愛用していただけます。 西陣爪掻本綴織は登録商標であり経済産業大臣指定伝統的工芸品に認定されています。
西陣爪掻本綴織は大変手間のかかるものだけに帯の場合は太鼓と腹紋だけに文様を表した太鼓柄といわれるものがほとんどですが、太鼓と腹紋だけではなく垂や手先などにも文様を表したものもあります。

爪で織る芸術品

匠の技と感性によって生み出される織の美。

格の高さ

爪掻本つづれ帯(綴れ帯)の色柄は実に多彩で、豪華絢爛、優美なものから粋な閑寂なものまで多種多様にあり、一重太鼓でもフォーマルに着用できる唯一の帯であることが、その格の高さを象徴しています。 金銀糸を多用した格調高い豪華な文様は留袖・色留袖の礼装に、優美な文様は訪問着・付け下げなどの略式礼装などに、お洒落な文様は小紋や紬などのお洒落着に締めることができ、単衣にも袷にも着用できる利便性も高い帯です。 【帯の特徴】 爪掻本つづれ織は鋸の刃のように刻んだ爪で糸を掻き寄せ織り込んでいくため高度の技術と感性を要し、「日に寸、五日に寸、十日に寸」と古くより伝えられ、文様によっては1日にわずか1cmしか織り進めない希少価値の高い織物で、その文様は匠の技と感性により織り描かれるため完全に同じものはふたつとありません。 緯糸だけで文様を織り出すため、経糸より太い緯糸で経糸を包み込むように織り込んでいきます。そのため織り上がりは表裏とも経糸は現れず緯糸だけで表現され、帯地は厚手で経糸が帯芯の役目をするので帯芯は不要で締め心地が良く締め緩みの無い帯が織り上がります。 また、他の織物の2倍もの緯糸が打ち込まれているため大変丈夫な上、表裏とも同じ文様が織り出され、表裏両面をご使用になれるので家宝として母から娘へ娘から孫へと受け継いでいただけます。裏面を使用する際には裏に出た絹糸を表に返す裏返しをして仕立て直します。 【絹の重みを感じる贅沢さ】 帯を構成するタテ糸とヨコ糸は正絹(※絹100%)であり、綴用の絹糸は太く、絹たっぷりの贅沢な帯でもあります。(※金銀糸を除く)一般的な綴袋名古屋帯の場合は40枚用と呼ばれる本綴用の太く丈夫な絹糸を使用します。表裏2枚重ねになる袋帯は綴袋名古屋帯よりも細い50枚用で薄い帯地に、また掛け軸にする場合はさらに細い60枚用を使用しています。

帯の証紙

経済産業大臣指定伝統的工芸品 検査合格証・証紙 経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されている西陣織の西陣爪掻本綴織は西陣織工業組合の登録商標であり、西陣織で最も歴史のある手法のひとつである伝統的な爪掻きの技法を用いていること、さらに産地・生産者・素材・品質なども含めて品質検査に合格した帯だけが“経済産業大臣指定伝統的工芸品”と表記することができ、経済産業大臣指定伝統的工芸品の証紙・検査合格証が与えられます。
メガネ型証紙(紫)は産地と品質を保証する西陣織工業組合が発行する「西陣爪掻本綴織の帯証紙」です。証紙には生産者№と帯地の種類、繊維の組成が表示されています。※経済産業大臣指定伝統的工芸品西陣爪掻本綴織の帯には証紙が付属します。※また日本の絹を用いた証として日本の絹証紙が付属します。

伝統マーク

1974年に公布された「伝産法」に基づく「伝統的工芸品」には、伝統マークを使用した証紙が付いています。これは定められた検査に合格した伝統的工芸品の証し。西陣爪掻本綴織では「帯」が対象となる証紙です。万一のトラブルの際にも、管理番号によって生産者がわかるようになっています。※昨今、伝統工芸士称号の不正使用が報告されています。 十分にご注意ください。

経済産業大臣指定伝統的工芸品 西陣爪掻本綴織 西陣織伝統工芸士

メガネ型証紙

西陣爪掻本綴織の帯に貼付される爪掻本綴の証紙の色は濃い紫です。帯に貼付する西陣織工業組合発行の証紙(メガネ型証紙)には生産者がわかるように生産者固有の番号が印字されています。(今井つづれはこの紫色の証紙です。)

西陣爪掻本綴織 メガネ型 紫 証紙

帯の仕立て

京都の仕立て職人がひと針ひと針、手でかがる“つづれ本かがり”、厚地の織物なので帯芯は必要なく、太鼓上まで2枚合わせの袋状にかがり、手先も15センチほど半分にかがる「大松葉仕立て」か、半分にかがらず帯巾のままに仕立てる手先平仕立てがあります。 綴れ帯は袋帯や袋帯と同じ二重太鼓結びのできる長さの綴袋名古屋帯もありますが、一般的なのは一重太鼓結びの綴袋名古屋帯(八寸帯)です。 綴帯はそれ1枚で帯になる厚手な織物である利点から実際の帯巾に織られています。それゆえに仕立てのための縫い代や裏地、帯芯の必要がない、袋帯と名古屋帯の利点を併せ持った綴袋名古屋帯と呼ばれる仕立て方をします。綴袋名古屋帯というと名古屋帯と名がつくので名古屋帯と混同されやすいのですが、袋とも名がつくように、どちらかというと袋帯に近い帯です。 一般的な一重太鼓結びの綴袋名古屋帯の仕立て方の特徴は袋帯と同じかがり仕立て、長さは名古屋帯と同じというのが一般的な解釈です。垂先から太鼓上までは帯巾でかがる2枚合わせの袋状に仕立て、帯芯は必要とせず太鼓上から手先まで帯巾の開いた状態で手先は着付けがしやすいように15センチほどかがる仕立てと帯巾のままに仕立てる方法があります。